December 8, 2011
"<12月7日>(水)

○今、ホワイトハウスのホームページを見ると、面白いものが見られます。一番上の部分に「あと24日××時間○○分▲▲秒」というカウンターがあって、刻一刻と数字が減っていく。で、これは何のことかというと、こんなことが書いてある。

“IF CONGRESS DOSEN’T ACT, MIDDLE CLASS TAXES INCREASES IN:”

(もしも議会が行動しなければ、中間層は増税になります)

○これはオバマ政権が打ち出した景気刺激策である”Payroll tax”(給与税)の軽減措置が年末で切れてしまうので、「早いとこ議会は延長してくれええ」、というオバマさん心の叫びである。その辺の理屈についてはこの辺をご参照。

○給与税は、もっぱら社会保障費に使われる。雇用者も同額を支出することになっていて、給与から天引きされることもあり、日本でいうならばちょうど社会保険料に相当する。年明けから上がりますよ、と言われれば皆ギョッとするところ。でも、この軽減措置の延長に対しては、「財政赤字を増やす」とか、「恩恵を受けられない国民が居るから不公平」とか、「公的年金制度が揺らぐ」などの反対意見がある。まあ、その辺はいずこも同じ秋の夕暮れ、である。

○ただし経済効果という面では、給与税減税が延長されるのとされないのでは、来年の米国経済の前提条件が天と地ほどに違ってくる。延長した方がいい、というのが大方のエコノミストの見通しであって、これが失効するようなら2012年の米国経済はかな~り危ういものになる。日本の経験が物語るように、バブル崩壊後に急いで財政再建をしてはいかんのであります。

○で、問題は議会、というよりは共和党の出方である。米国経済を悪化させちゃいけない、という程度は彼らも分かっているのであるが、自分たちのメンツもあるからおいそれとは協議には乗ってこない。なにしろ11月23日には、スーパーコミッティーの歳出削減交渉が決裂した直後でもある。

○さらに言えば、来年は選挙があるわけだから、「まっ、来年は景気が良くない方が、野党としては選挙に有利かな~」という未必の故意みたいな恐るべき発想もある。なにしろ2012年の大統領選挙の行方は皆目不透明なるも、議会選挙は圧倒的に共和党が有利になっているので、その辺も重ね合わせて考えると、なかなか妥協しようというインセンティブは働きにくいのであります。

○だからと言って、オバマ大統領が「皆さん、悪いのは議会、それも共和党ですよ~」と声高に訴えているのもいかがなものか、という気がする。だってホワイトハウスのHPが議会を非難するのは、日本で言えば官邸のHPが「自民党はケシカラ~ン」と書くようなものですから。ホワイトハウスが必死になればなるほど、議会共和党としては妥協が難しくなるのでありますよ。

○ここまで来ると、行政と立法の両者が責任を擦り付けあっている構図となる。国の将来のことなんて、いったい誰が考えているんだろう。日本の政治も大概にひどいけど、アメリカも相当にひどい。このことは自信をもって断言できますね。"

かんべえの不規則発言 (via pdl2h)

(via jacony)