November 9, 2011
"このように先進国と新興国の格差が縮小する現象は、大収斂と呼ばれる。経済学では、生産要素(労働や土地など)の価格に国ごとに差がある場合、高い国から安い国に資本が移動し、これは世界全体で同じ価格になるまで続くと考えられている。水面に高い部分と低い部分があると、水平になるまで水が流れるのと同じである。  これは生産要素が国際的に移動できなくても起こる。中国で安い賃金で生産したジーンズの価格は安くなるので、それを中国から輸入するのは低賃金労働者を輸入するのと同じだ。結果的には日本の高いジーンズは駆逐され、賃金は中国に引っ張られて安くなる。  これは経済学で要素価格の均等化と呼ばれ、理論的には世界全体で同一労働の賃金が同一になるまで進む。  それがかつて起こらなかったのは、新興国の労働生産性が低かったからだ。新興国の賃金が低くてもトラブルや不良品などが多いと、労働生産性で割ったコスト(単位労働コスト)は高くなる。  ところが1990年代以降、旧社会主義国が世界市場に入り、中国も改革開放で市場経済になったため、生産性も大幅に上がった。これによって理論的に起こりうる大収斂が現実に起こり始めたのだ。"

グローバル化でなぜ格差は拡大するのか 世界は平等化するが先進国の雇用は二極化する