"日本はアメリカの財とサービスの主要な輸入国で、特に、ジェットエンジン、数値制御式の工作機械、バイオテクノロジー製品など、高価な先端型技術製品を輸入している。さらに、急速に拡大しているアメリカの対中貿易赤字とは対照的に、対日貿易赤字は着実に低下している。 ワシントンはこの現実を理解しており、TPPに日本が参加することを望んでいる。かつて米通商代表を務めたクレイトン・ヤイターと国際貿易を専門とする弁護士のジョナサン・ストールは、ウォールストリートジャーナルに寄せた最近の論説記事で、日本が(TPPに)参加すれば「アジア太平洋地域の貿易は爆発的に増大し、軽く現在の3-4倍の規模に達するだろう」と指摘している。 アメリカがこれまで日本との貿易につねに力を入れてきた訳ではない。日米自由貿易構想が最初に表明されたのは一九八〇年代末で、そのイニシアティブをとったのは当時のマイク・マンスフィールド駐日アメリカ大使だった。 だが当時の日本の経済的優位を警戒して、アメリカ国内でこの構想をまじめに取り上げようとする者はほとんどいなかった。東京もこの構想を真剣に取り上げなかった。当時は、地域的な貿易合意よりも、グローバルな多国間貿易合意のほうが優先されていたからだ。 だがいまやすべてが変化し始めている。10月、ウィリアム・バーンズ国務副長官は東京で、アメリカは「日本がTPPへの関心を高めることを歓迎する」と表明し、もちろん「参加するかどうかの決定は、日本の優先順位と利益に関する慎重な分析に基づいて下されること」を理解していると述べている。"